メープルシロップの作り方
メープルシロップは、樹液を煮詰めて作られる甘いシロップ。作り方の説明は簡単ですが、作業は大変そうです。
メープルシロップの作り方
メープルシロップの作り方はシンプルで、カエデの樹液を煮詰めてこすだけです。グツグツ煮詰め水分を飛ばすことで凝縮され、 着色料も添加物も含まない100%天然の甘いメープルシロップが出来上がります。
糖度が 66Brixに達するまでグツグツ煮詰められます。樹液の劣化が早いために、収穫とともに煮詰る作業が始まります。樹液40リットル煮詰めて、ようやく1リットルのシロップが出来上がります。
樹液は加熱されると、激しく泡立ちます。温度、糖度、等級など細かい確認作業が必要になり大変そうです。糖度が低いとシロップが発酵する恐れがあり、高すぎると結晶化が始まり、メープルシロップの枠から外れてしまうそうです。煮詰めたメープルシロップは、フィルターで不純物を取り除き、ドラム缶に詰めてゆきます。
下記の動画は英語ですが一連の流れが紹介されています。
関連サイト: メープルシロップの作り方 (日本語字幕)
シロップを煮詰める方法
個人用や観光用の少量つくる場合、鍋を使用しますが、メープル農家では、専用の大きい設備を使用します。 樹液を煮詰める方法は、ガスまたは、薪を焚く方法に分かれ、設備を選択できるようです。 もちろん、薪を焚いて作る方が大変なため、ほぼガスで作られています。
現地では、ガスでも薪でも煮詰める方法の違いだけで、味は同じとの認識でしたが、視察に行った日本人3人とも薪を焚いて作られたメープルシロップを選んだので、首をひねってました。
それならば!と農家の方が、新たにいくつか用意したものを試飲しましたが、日本人サイドはどれも薪を焚いたものを選択できたようで、薪は違うのか?と驚いていました。
メープルシロップは、地域や農家によって味が異なる為、ぜひメープル農家のメープルシロップをお試し下さい。上記の写真は以前大変お世話になったラ・クーレの農家の方です。
メープルシロップの砂糖小屋
シュガーシャック(砂糖小屋)と呼ばれる小屋で、煮詰める作業が行われます。樹液は劣化がとても早く、収穫から時間が経つほど風味が悪くなり、 暗い色のメープルシロップが出来上がるため、砂糖小屋はカエデの森の中にあります。
煮詰める作業で大量の蒸気が立ち上り、小屋の煙突からモクモクと蒸気が出ます。 煙突から蒸気が立ち上がる小屋は、長い冬の終わりと、春の訪れを知らせる風物詩です。 メープルシロップの伝統の料理を楽しみながら、歌ったり踊ったり春の訪れを祝っていたようです。音楽は軽快な調べで、下記の動画で雰囲気を楽しみましょう。
関連サイト: 動画 軽快な伝統的な音楽
メープルシロップの歴史
メープルシロップは、北米の先住民が作っていました。入植してきたフランス人に広がり、開拓で厳しい労働に従事していた人々の貴重なエネルギー源になりました。
先住民は、木を傷つけて採取した樹液を木の器に入れ、熱した石を入れて煮詰めていたそうです。 木から直接木の器に移していた方法が、木の桶になり、ステンレスのバケツ、そして現在はパイプを通して小屋に樹液が集めています。
カエデの森にパイプが張り巡らされ、小屋へ樹液が集められるようになり、樹液を運ぶ重労働から解放されています。更にパイプも進化しており、 空気に触れることなく樹液の劣化を防ぐことから、メープルシロップの質が上がったそうです。
関連サイト: 樹液収穫の歴史 (英語) 樹液収穫の道具 (英語)